Denka - デンカ株式会社 - 新卒採用 2026

ENTRY 2026年新卒採用
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本田 一馬
JOB REVIEW
研究開発

Denkaの技術を駆使して
農業をイノベーションする。

本田 一馬
デンカイノベーションセンター インフラソリューション開発研究所
2014年入社
農学研究科共生バイオサイエンス専攻修了
※社員の所属部署・記事内容は取材当時のものです
#生物・薬学系出身#研究#東京都で働く#修士#若手社員

テーマは省力化と環境負荷低減

 Denkaが肥料生産からスタートした会社であることを知っている人は多くないだろう。だが大学で農学を専攻していた本田にとっては、むしろデンカは数ある肥料メーカーの中の一つにすぎなかった。
「土づくりに欠かせない石灰窒素をつくっている会社という認識でしたね。ところが就活のときに調べたら、肥料メーカーなのにゴムや医薬品までつくっている。驚いたと同時に、この会社に入ればいろんな分野の話が聞けて面白そうだと考えました」

 入社後は青海工場の肥料研究チームに配属され、3年間、石灰窒素の製造・使用方法の研究に従事した。当時、デンカの農業部門は肥料だけの専門チームだったが、2015年の100周年を見据えた事業再編で肥料部からアグリプロダクツ部に移行。肥料だけでなく農業領域で必要とされる材料やソリューション全般を扱うことになった。本田がイノベーションセンター内に設けられたインフラソリューション開発研究所へ異動したのは2017年の春のことだ。

「いま日本の農業は大きな変革の時期を迎えていると思います。担い手が高齢化する一方、ベンチャー企業や若者の新規参入も増えている。その中で求められるのは、いっそうの省力化・効率化と環境負荷の低減です」
 ともすれば衰退産業と思われがちな農業だが、人類の生命維持に不可欠の基幹産業であり、決して不要になることはない。むしろこれから大きなイノベーションが期待できる成長産業であり、取り組むべきテーマはいろいろあると本田は言う。

インタビューの様子

やわらかく固めて土壌の流出を防ぐ、
画期的ソリューション

 そうした中で本田が現在リーダーとして取り組んでいるのが、土壌流出防止材の開発プロジェクトだ。
「沖縄では、土壌流出の問題が非常に深刻になっています。気温が高いので有機物の分解が早く、土の粒がバラバラになりやすい。そのため大雨が降ると田畑や樹木の少ない山の斜面などから大量の土が海に流れ出す。これが川や海の環境にも悪影響を与えているのです」
 流出した土がサンゴ礁に降り積もるとサンゴが死滅してしまい、貴重な観光資源が失われるだけでなく、魚などの生物が住む環境も悪化するため水産業にも影響する。

農家にとっても土壌流出は土地がやせ細る原因となり、収穫量に響いてくる。
 かといって作物を育てる農地はコンクリートのようにがちがちに固めるわけにはいかない。そこで本田たちが考案したのは、土壌表面を「やわらかく固める」方法だった。
「環境への影響が低い樹脂系の土壌流出防止材を開発しました。これを農地に散布すると表面がコーティングされた状態になって土が流れなくなる。現在、沖縄のサトウキビ農家に協力してもらい、畑を借りて実証実験を行っている最中です」

 いろいろ試行錯誤を重ね、現在は本格的な普及を目指して耕転から播種、土壌硬化までを農家が一度にできるようなシステムを構築中である。
「うまくいくまでには苦労しましたが、結果的に非常に大きな成果が出ています。大雨が降っても畝(うね)が崩れない。水の流れが良くなり、土壌流出がないので肥料が効いてサトウキビの生育も良い。協力してくれた農家さんも非常に喜んでくれています」

仕事風景

持続可能な農業の実現に貢献する

 この沖縄の土壌流出問題については、20年以上前から国や沖縄県も対策に取り組み、排水路やため池の整備など、主に土木技術での解決が図られてきたが、根本的な解決にはつながらなかった。今回、本田たちが開発した手法は導入が容易で、環境保全だけでなく農家にもメリットがあり、行政側からも期待が寄せられている。また土壌流出が問題となっている地域は世界各地にあるだけに、将来的には海外への展開も期待できそうだ。

 この他にもインフラソリューション開発研究所では、持続可能な農業の実現に役立つ様々な材料やソリューションを開発している。たとえば現在開発中の液状の腐植酸もその一つだ。
「腐植酸は亜炭から生成する成分で、植物の根を活性化するなどの効果がある。液状タイプは従来の固形タイプに比べて即効性が高く、必要な時期に必要な量だけを使用できる。送液システムによって施肥を自動化できるので農業の省力化にも貢献します」

ユニークな防草剤も開発した。これは水をかけると10分で固まり、雨水を通しながら草が生えるのを抑える資材。セメントなどを使っていないため環境への影響が低く、除去したいときも簡単にはがすことができる。
「デンカは社内に無機から有機まで様々な材料や技術があるので、新しい課題が出てくれば、使えそうなものを探してきて応用することでソリューションを開発することが可能です。技術者としてこんなに面白い“場所”はない。今後もデンカの技術を生かして、環境と調和した持続可能な農業の実現に貢献していきたいですね」

一日の仕事の流れ

07:00
起床
07:55
自宅を出発
08:10
会社に到着、作業着に着替え
08:30
チームミーティング
09:00
当日の作業内容確認 全体の流れと安全事項を確認。
10:00
実験 開発中の肥料を使って栽培した植物の生育を調査。
12:00
昼休み
13:00
実験 開発中の資材の安全性を評価。農業で使うため、特に慎重に行う。
16:00
データのまとめ 考察に必要な文献を探す。
17:00
レビューと明日のスケジューリング 本日の業務振り返りと翌日の作業スケジュールを作成。得られた結果をもとに細かく実験計画を練り直す。
17:20
業務終了
00:00
就寝

Denkaを選んだ理由 日本の化学工業の発展に貢献してきた歴史

石灰窒素の生産を皮切りに100年以上にわたって日本の化学工業の発展に貢献してきた歴史の重みと、様々な事業領域でビジネスを展開している点に惹かれて入社を決めました。自分の目に間違いはなかったと感じています。

仕事風景

応募者へのメッセージさまざまな事業分野と交流しながら新しいものをつくろう

農学を志した人には、「農業=古い」というイメージを打破して、農業の発展に貢献できるような仕事を目指してほしい。デンカは会社全体から見ると農業分野の比重は低いですが、さまざまな事業分野と交流しながら新しいものをつくることができるのが魅力です。

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