Denka - デンカ株式会社 - 新卒採用 2025

ENTRY 2025年新卒採用
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津川 優太
JOB REVIEW
製造

自分の仕事は会社の
利益に直接つながっている。

津川 優太
大牟田工場 生産技術部
2015年入社
総合化学院 総合化学専攻修了
#化学・材料系出身#製造・生産技術#福岡県で働く#修士#若手社員

シンプルで奥深い
セラミックスを追い求めて

 津川がデンカを選んだのは「セラミックスの研究を活かせる」という理由からだった。大学では無機化学材料を研究し、特にセラミックスを追究するために研究室を選んだ。「粘土状の素材を焼くことで、変化に富んだ特性を出せる」。そのシンプルさと奥深さが津川を魅了した。
 研究テーマはセラミックス材料を用いた磁石の開発。今後増えていくであろう電気自動車のモーターなどの用途を想定し、希少金属ではなく汎用的な素材から強力な磁石をつくり出す研究を行っていた。

 素材には窒化鉄を用いて研究を進めるなか、デンカも窒化物系のセラミックスに強みがあることを知ることになる。セラミックスを扱う多くの企業のなかでも、窒化物系のセラミックスを用いるのはわずか数社しかない。就職先にデンカを選んだのは必然と言えるかもしれない。
 入社後は大牟田工場に配属され、生産技術部として工場のプロセス改善に取り組む。入社して半年後に携わったのは、セラミックス基板の新規製造プロセスの開発だった。

 放熱効率の良いセラミックス基板は自動車部品にも用いられ、高い信頼性と耐久性が求められる。
 車載向けのニーズが高まるにつれて求められるのが、品質を維持しながら、いかに大量生産を実現しコストを抑えていくか。大量生産のためのプロセスをつくり上げ、そのプロセスで生産された製品が出荷に見合う品質となるよう、収率を改善するのが現在、津川に求められているミッションだ。

インタビューの様子

生産プロセスを改善し、
利益に貢献する

 いま津川が取り組んでいるのがパワーモジュール用セラミックス基板の収率改善である。
 収率とは理論上生産が可能な総量と、不良などを取り除いた実際の生産量の比率のこと。津川が担当する車載向けの新規グレードに用いる基板では、回路面のわずか数ミクロンの凹凸で不良と判断される厳密な基準のなかでその課題を克服する必要がある。品質が安定したプロセスをつくりあげるにはこれまでの考え方を変えなければならない。

「回路面の表面加工一つとっても、加工前の下処理、加工処理そのもの、加工後のハンドリングと、それぞれの工程で不良品が生まれる可能性があります。製造スタッフと共に工程を見直し、一つ一つ最適化していきました」
 用途別のグレードに合わせて、工程もカスタマイズした。
 表面加工では下地処理や洗浄に特殊な工程を追加した。製造担当者とのすり合わせも並行して行いながら、量産のスタートから約半年で改善の目処が立った。

「収益を改善するということは、無駄なコストを低減するということ。改善した効果が金額となって目に見える形で現れます。改善の度合いによっても、年間で数億円単位となることも。自分の仕事が会社の利益に直結するのが、生産プロセス改善の醍醐味ですね」
「職場の方々と遅くまで試験を実施して、翌朝に結果について検証し、侃々諤々の議論をして、次の仮説を立て、また検証試験を行う。そのサイクルをとにかく繰り返しました。繰り返していくうちに、徐々に特性が向上し、3カ月後には目標を達成することができたのです」

仕事風景

自分一人ではできないことを
チームの力で達成する

 これまでの仕事のなかで、もっとも印象的だったのが、入社2年目の春に経験した品質改善要望に対応した案件だ。
 当時、新規用途の参入のための試作品提供を行っていた。開発したサンプルに対して、ユーザーからの要望は「熱サイクル特性を向上せよ」というもの。最高温度は百数十度、最低温度はマイナス数十度。この条件を数千サイクル繰り返した後でも、基板が割れない必要があった。達成が難しい目標だったが、メンバー総出で材料や設計、製造工程のすべての見直しを始めた。

「職場の方々と遅くまで試験を実施して、翌朝に結果について検証し、侃々諤々の議論をして、次の仮説を立て、また検証試験を行う。そのサイクルをとにかく繰り返しました。繰り返していくうちに、徐々に特性が向上し、3カ月後には目標を達成することができたのです」
 津川が身をもって学んだのは、報告・連絡・相談の大切さだという。
「自分一人で問題を抱え込んでも前に進みません。先輩や同僚、別の部署の担当者など、チームが一丸となったときに、大きな力が生まれることに驚きを感じました」

 津川は入社して3年間、ずっとセラミックス基板を手掛けてきた。日々の蓄積から、製品に対する知識が身についてきたことを感じるという。
「今後はユーザーとの技術ミーティングや特許作成など、より成果につながる仕事も進めていきたい。他分野の最先端技術に対する知見を補強するため、展示会など積極的に参加してインプットに努めています」
 先端技術を改善プロセスに取り込み、より生産性を追求したいと語る津川。技術者として、新たな扉の前に津川は立っている。

一日の仕事の流れ

06:00
起床
07:50
自宅を出発 通勤は独身寮から車を利用。
08:00
会社に到着
08:10
メールのチェック、一日の段取り確認。
08:30
全体ミーティング 部内全体でミーティング。メンバーは40名。前日の不具合連絡やスケジュールの確認を行う。
09:00
チームミーティング チーム内の12名のメンバーでミーティング。本日の作業や会議スケジュールを共有する。
09:30
試験準備 試験に取りかかるために、サンプルおよび装置の立ち上げを行う。
10:00
試験開始 今日はセラミックス基板の接合性を判定する装置の条件出しを行うのが目標。
12:00
昼食 昼食は食堂を利用することが多い。ちゃんぽんがおすすめ。
13:00
試験のデータ整理および試験計画書の作成 午前中に出たデータを整理。得られたデータを元に次の試験計画書の作成を行う。
15:30
外注先との技術打ち合わせ セラミックス基板の製造は外注を利用する工程も多いため、外注先と定期技術ミーティングを行う。
17:00
本日のまとめ 翌日の会議スケジュールおよび作業内容を確認する。
17:20
終業
23:00
就寝

Denkaを選んだ理由 さまざまな材料を
手掛けられることに面白みを感じた

大学で学んだセラミックスの知識を活かせればとデンカを希望しました。企業説明会ではテレビでデンカが紹介されたときのVTRを見る機会があり、無機化学材料のみならず他の多くの材料も手掛けていることを知りました。自由で面白そうだな、と感じたのも、入社を決めた理由の一つです。

仕事風景

応募者へのメッセージ 独身寮で楽しく暮らそう

入居しているデンカの大牟田独身寮は、綺麗なうえに家賃もリーズナブルなのでおすすめしたいですね。私のように地方出身者にとっては、孤独を感じずに新生活をスタートできたのは大きなメリットでした。今も仲良くなった社員と食堂で飲み会を開くなど、職場以外の社員との大事なコミュニケーションの場となっています。

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