広大な事業領域を、少数精鋭で動かしていく。
だからこそ若手でも大きな仕事を任される。
デンカは果たしてどのような会社なのだろうか。
創業100年を越える老舗企業、有機も無機も手掛ける裾野の広い化学メーカー、世界に展開するグローバル企業などなど、
さまざまな特徴が思い浮かぶが、社員から見たらどんな会社なのだろうか。
このコンテンツでは事務系2名、技術系4名の若手社員に集まってもらい、
デンカのこと、仕事のこと、そしてそれぞれの未来について本音で語ってもらいました。
- 芳野 丞(よしの たすく)
- 営業
エラストマー・インフラソリューション部門 特殊混和材部
経済学部 経営学科卒
- 小林 睦美(こばやし むつみ)
- 営業
ポリマーソリューション部門 機能樹脂部
経済学部 経済学科卒
- 須山 竣平(すやま しゅんぺい)
- エンジニアリング
千葉エンジニアリング部設計課
自然科学研究科 材料生産システム専攻修了
- 佐々木 崇(ささき たかし)
- 研究開発
デンカイノベーションセンター 先進技術研究所 新規材料研究部
生命ナノシステム科学研究科 物質システム科学専攻修了
- 小林 英史(こばやし ひでふみ)
- 製造
千葉工場 第一製造部 スチレン合成課 スチレン合成係
理工学研究科 応用化学専攻修了
- 中西 崇一朗(なかにし そういちろう)
- 研究開発
デンカイノベーションセンター 先進技術研究所 先端高分子研究部
総合理工学府 物理工学専攻修了(博士)
多様な製品に携われるやりがいと、学ぶべきことの多さ
— まずはデンカに入社した理由について聞かせてください。
- 須山 -
大学で化学工学を学んでいたこともあり、化学メーカーで幅広く素材を扱うデンカに興味を持ちました。さまざまな製品の製造現場に立ち会いたかったんです。
- 小林(英) -
親が化学メーカーに勤めていたので、昔から化学に興味がありました。大学でも有機化学を専攻しており、研究していた内容を活かせる仕事をと選びました。
- 中西 -
僕も化学メーカーを前提にしていましたね。その上で、採用担当者のフランクな人柄にひかれました。
- 佐々木 -
僕は逆に、化学メーカーにこだわりはなく、人を大切にする会社、長く勤められる会社を探していました。「材料」という分野は途絶えることはないこと、なにより、100年以上の歴史があることが決め手でした。
- 小林(睦) -
私は経済学部出身ですが、化学・素材メーカーに絞って就活をしていました。樹脂原料などの川上の製品を扱えば、よりさまざまな製品に関われると考えたからです。自分の手で製品を世の中に送り出したい、という思いもありました。
- 芳野 -
大学では国際経営学を専攻していたので、世界で評価されるものづくりに携わることができればと。世界的に高いシェアを誇る製品を持つデンカはうってつけでした。
— 皆さんの現在の仕事内容を教えてください。
- 須山 -
プラントの設備改善工事が中心です。今はアセチレンブラック研究設備の建設工事に携わっていて、プロセスの最適化検討や機器仕様の検討などの設計業務を行っています。
- 小林(英) -
スチレンモノマーを製造する部署にいます。 安全で安定した操業のため、日々の運転データをチェックし問題を早期発見・(早期)処置するのがミッションです。安定操業を「当たり前」にする大変さを実感しています。また、プロセス技術の改善も大きな課題となっています。
- 中西 -
須山さんと小林英さんはエンジニアリングや製造の部門で、僕と佐々木さんはデンカイノベーションセンターに所属しています。二次電池用の部材設計や合成、プラント移管に向けた製造法を検討しています。博士課程での知識を活かすことができ、とても有意義な研究生活を送れています。
- 佐々木 -
中西さんと同じくデンカイノベーションセンターで、樹脂加工の用途開発に携わっています。毎日試行錯誤の連続で、正直苦戦中です。助けを求めるにも、誰に何を聞けば望むアドバイスが得られるのか、ちゃんと理解できないといけない。
- 中西 -
確かに。「何がわからないか理解する勉強」が必要になりますね。
- 小林(睦) -
私と芳野さんは営業部門です。私は樹脂を担当しています。文具、雑貨や家電の原料となるのですが、お客様は大手企業から町工場まで幅広く、対応にいっぱいいっぱいになることも。お客様から技術的な質問を受けることもあり、技術部門の方にはいつも助けてもらっています。
- 小林(英) -
どういたしまして(笑)
- 芳野 -
僕の担当は土木建築用接着剤です。大手ゼネコンの技術職の方から現場の専業者の方まで、さまざまな立場の方と会話することが多いですね。相手は専門知識や経験が豊富なので、こちらも勉強しないと営業が成り立ちません。日々勉強です。

思い描いたストーリー通りに物事が運んだときの喜び
—どんなときに仕事の醍醐味を感じますか?
- 須山 -
自分が設計したものが、プラントという目に見える形になって表れるところですね。1人で3〜4プラント担当するので、責任も喜びも大きいです。少数精鋭というか。
- 小林(睦) -
「少数精鋭」は営業でも実感します。月に製品を1500トン近く取り扱うこともあり、新人にも「まずやらせてみる」という風土ですね。自分でストーリーを組み立てて、上司を説得して、思い通りに物事が運んだときは本当にうれしいですね。
- 芳野 -
わかります。商材が最終製品なのもあり、上流から下流まで幅広く営業できますしね。一つ一つできることも増えてきたので、もっと確度を高めていきたい。「この人なら」と頼ってもらえるのが理想です。
- 小林(英) -
「ストーリーを立てる」というのは製造の現場も同じですね。プラントでトラブルが発生した場合、生産に影響を与えないよう、操業を止めずに原因を特定しないといけません。短期間でトラブルが回復すれば会社の利益にもつながりますし、なにより、千葉で一番大きいプラントを思った通りに直せた喜びは、快感と言ってもいいですね。
— 製造は日々行われていますから、すぐにフィードバックがあるということですね。研究の場合はいかがですか?
- 佐々木 -
研究は成果が出るまでのスパンが長いのですが……。たとえば目標のレベルが100だとして、1つでも2つでも100に近づいているのがわかるとやりがいを感じます。小さな成功体験の積み重ねです。
- 中西 -
いま難しいテーマで頑張っていますね。ゴールが100だとして、今どれくらいですか?
- 佐々木 -
まだ1〜2といったところ。でも、これが4とか5になるだけでもうれしいね(笑)。
- 中西 -
自分が感じる醍醐味が二つあります。一つは会社員として。設計時のストーリー通りに物性が発現すると、目標達成の喜びがあること。もう一つは研究者として。予想と反した結果になったとき、新しい反応との出会いがあること。マイナスも突き詰めればプラスに転じると思っているんです。
- 佐々木 -
僕はマイナスが出たら焦っちゃうな(笑) 見習いたい。
- 須山 -
製造の現場でも、失敗して覚えるのは同じですね。
- 中西 -
でも研究とプラントとは失敗のレベルが違うんじゃない? こちらは試薬がダメになる程度だけど……。
- 須山 -
確かに失敗次第では損失も大きいけど……。その分、二度と同じ失敗は繰り返さないし、若いうちに失敗しておいたほうがいいこともある。
- 小林(英) -
失敗から多くを学んで、生産性が上がるようになれば最終的に利益にもつながるしね。

これからの100年を背負う、若手たちのチカラ
— 皆さんが思う「デンカの良さ」はなんですか?
- 須山 -
若いうちから多くを経験させてくれるところですね。仕事を任せてもらえるのもありますし、教育面でも感じます。入社して1、2カ月目のころ、定期メンテナンス工事で操業が停止中のプラントがあったんです。中に入れる機会なんて滅多に無いから、と、新人研修を中断して「見てきなさい」と送り出されました。若手を育てることにとても熱心だよね。
- 小林(英) -
さっきの「少数精鋭」にも通じるけど、一人あたりの責任が大きいぶん、課題にトライできる機会も多いよね。最後に自分一人の力でできるようになるまで、上司もサポートしてくれます。早く独り立ちしなければ、とやる気も出ますよ。
- 中西 -
研究でも若手の意見が通りやすいのは感じるね。
- 佐々木 -
年齢が近い先輩も多く、成功体験や失敗談を聞かせてもらえるので、いま自分がやるべきことも見えてきやすい。
- 中西 -
期待に応えられるよう、こちらも発信力や企画力をもっと高めていきたいと思っています。やはり、与えられるだけではなく、自分から「いま取り組むべきテーマ」を提案していきたいですね。提案するからには、上司を説得してでもやる、という強い思いを持ってやっています(笑)。
- 芳野 -
営業としては、製品群が豊富なのもポイントとして挙げたいですね。100年の歴史を踏まえて、今後また100年続くよう、社内資源を活用し、市場開拓ができたらと思う。
- 中西 -
お客様のことをよく知っているのはやはり営業サイドなので、もっと「こういうのできないかな」「こんなことができるよ」と気軽に話せるつながりができたらいいな。
- 小林(睦) -
自分の所属する部門内とは定期的に交流を持っているけど、イノベーションセンターを含めさらに横のつながりができたらいいかも。お客様にデンカの製品を知ってもらえる機会も増えると思う。
- 佐々木 -
イノベーションセンターの知見と、営業さんの「稼ぐ目」があれば、よりニーズを満たした製品が生まれるかもしれないね。
— 最後に、皆さんの今後の目標を聞かせてください。
- 須山 -
もっと場数を踏みたいですね。たくさんのプラントを設計し、経験を積んで、エンジニアとして独り立ちしたいです。
- 小林(英) -
まずは目の前の仕事、プラントの安定性向上に全力で取り組みたいです。「これは自分が主担当となって取り組んだもの」と胸を張って言える成果をきちんと残したい。
- 芳野 -
自分が携わった製品を世界トップシェアにしたいですね。担当した製品が業界のブランドとなるのが夢です。
- 小林(睦) -
私も、いま担当しているクリアレンをもっともっと世界中に広めたい。デンカの製品を世の中に送り出すことで、世界にもっと「できること」を増やしたいです。
- 佐々木 -
いま取り組んでいるテーマは、あと数年で継続の可否を見極めることになります。それまでにどれだけ結果を伸ばせるか、ですね。実際に製品となる研究テーマは全体の数%ほどですが、いつかその数%に入って会社に貢献できればうれしいですね。
- 中西 -
研究職である以上、他社に追従するのではなく、自分で新しい波を起こしたい。1から100でなく、0から1の部分。いっそ0から100までジャンプするようなイノベーションを起こして、「なんだこれは」と世界をあっと言わせたい。製品化した暁には、ここにいるみんなに製造や販売を担当してもらえたらうれしいですよね。